デマンドマネジメントシステム

電気はどのように届けられているか

私達の日常生活に欠かせない電気は、発電所で作られてから、電線を伝ってあらゆる所へ搬送されています。
この電気を作る発電所には、火力発電、水力発電、原子力発電などの発電施設に加え、風力発電、地熱発電、太陽光発電、更にはバイオマス発電などの様々な方法により電気は作られています。

この発電された電気は、一般家庭と大きな工場とでは供給のされ方が違い、供給契約も異なっています。
一般家庭の場合、使いやすい電気である100V/200Vに変換されてから、私達の元へ届けられます。
しかし工場などの大きな施設では、電力会社が電線を伝って搬送している6600V、あるいは20,000Vなどの高い電圧の電気のままで施設へ搬送され、施設内に設置される受変電施設にて、実際に使われる100V/200Vに変換されています。

使いやすい電気に変換してから電気の供給を受けている需要家を、低圧需要家(小規模需要家)と言い、一般家庭などがこれに該当します。
そして高い電圧のままで供給を受けている需要家を高圧需要家と言い、工場や店舗などがこれに該当します。

発電所で発電できる最大電力には当然限界があり、あまりに多くの電気が使われ過ぎると、電気が足りなくなってしまいます。
このため、過去の実績から計算して、最大電力となる時間帯をずらし、発電容量が限界値を超えないように、発電会社は電力の使用を制限するよう、企業や一般家庭へ要請することがあります。これが負荷平準化と呼ばれる対策で、夏場の計画停電の理由になります。


 

デマンド(最大需要電力)契約とは

日本の高圧需要家への電力供給は、日本独自ともいえる契約方式を採用しており、これを最大需要電力契約(特に500kw契約未満をデマンド契約)と呼んでいます。
この根本的な思想は、発電側にとっては需要家の最大電力に相当する発電施設への投資が必要であり、需要家は最大電力に対する基本的な需要契約を結ぶべきであるという考え方に基づきます。
確かに発電設備を設置し、電気を供給する側からすれば、それは間違った考え方ではありませんが、需要家側からすれば常に最大電力を使用しているわけではないのです。
しかしながら日本においては、最大需要電力契約は避けて通れない仕組みであり、この年間でわずかな期間に計測されてしまう最大電力をどのように抑えることが出来るかが、実は電気代削減に大きな効果をもたらすことになります。

また、昨今の原子力発電所停止による電力不足においては、電力会社としても電力供給義務を果たすために、電力需要家側の集中的な電力使用は出来るだけ避けてもらいたいというのが本音でしょう。
そこで「負荷平準化」という使用方法を奨励し、自発的な最大電力抑制装置となるデマンドコントローラーを奨励しているのです。

高圧需要家の基本料金は1/17520の確率で出た最大電力で決まる

これら最大需要電力契約(デマンド契約)で管理されている電力使用量の期間は「30分間」です。
電力会社が高圧需要家へ設置しているデマンドメーターでは、「30分間」でどれだけ電気を使ったのかを記録し、最も沢山使った「30分間」の電力使用量が、年間最大電力となり、これが基本料金の算出基準となります。
解り易く解説すると、1年間で「30分」という時間は17520回訪れますので、この1/17520の確率で計測されてしまった電力が、その先1年間の基本料金を決めてしまう、という事になります。

デマンド契約の概念図

 


 

デマンドマネジメントとは

デマンドマネジメントは、エネルギーマネジメントの一環として位置付けられておりますが、その定義はエネルギーマネジメントとは異なり、エネルギー使用状況に応じて主に電力の最大使用を管理する事と言えます。
一般的にはビルや工場、住宅等の施設や地域における電力の負荷平準化を指しますが、最適に保つ事が目的ではなく、最大電力を強制的に管理する事が含まれる点は、エネルギーマネジメントの定義とは異なる点と言えます。

電力会社からすれば、電力需要家の自主的な協力により、最大発電量を抑えることができ、電力需要家は電気の基本料金を抑えることが出来る、という仕組みと言えます。

つまり、デマンドマネジメントにおいては、「エネルギーの使用状況を可視化して、施設内の設備(照明、空調、モーター等)の稼働を制御する事で、エネルギーの最適化運用をする」だけではなく、ここに最大電力を制御する(ピークコントロールまたはデマンドコントロール)という目的が加わります。


 

デマンドマネジメントシステム(DMS)

エネルギーマネジメントシステムをEMS(Energy Management System)と呼び、このEMSにデマンドマネジメント機能を加えたシステムをデマンドマネジメントシステム、DMS(Demand Management System)と呼びます。
昨今のEMSにおいては、デマンド対応をしているシステムが殆どですので、広義においてはEMS=DMSと捉えても良いかもしれません。

性能差が大きいEMSのデマンドコントロール機能

デマンドマネジメントにおいて一般的に知られているのが、デマンドコントローラーと呼ばれる30分間の最大電力を予測し警報を出力する装置です。
簡単に解説すると、以下の図のように30分単位で電力を計測し、30分後の予測値が目標値を超えたら警報を出力するという装置になります。

デマンドコントローラーは警報を出力するだけではなく、設備に対して制御信号を出力することができますので、目標値を超えないように空調機などの設備に対して、停止などの指令を出すことが出来るのです。

しかしながら、このデマンドコントローラーによる強制的な最大電力抑制は、電力需要家側の状況には殆ど配慮されていない為、多くの工場などでこの装置が採用されたものの、警報装置としてしか使われなくなったか、あるいは夏場の暑い時期に従業員に我慢を強いているケースが多く見られます。

一般的にデマンドコントローラーが強制制御の対象とする設備は、生産ラインと無関係な設備であり、且つ容量の大きな設備、つまり空調機が制御対象となる事が殆どです。

設備は必要な時に稼働するのであって、施設全体の最大電力が計測されているときと言うのは、それだけの電力が必要だから設備が稼働しているのですから、それらを強制的に制御してしまうという事は、必ず何かが犠牲にならざるを得ないのです。

逆にデマンドマネジメントが上手にできている高圧需要家というのは、競合他社に比べ安い電気代で効率良く工場を稼働させているという事になります。

理想とするデマンドマネジメントシステムの制御

現在当社の既存顧客の多くに導入されている「NEO DRIVE SYSTEM」によるデマンドコントロールでは、電力ピーク付近における日負荷曲線は次のグラフのようになります。

目標付近を這うように電力曲線が推移している様子が分かるかと思います。
「NEO DRIVE SYSTEM」によるデマンドコントロールでは、目標設定値に対してデマンド誤差1%以内という驚異的な制御を実現しております。
つまりこれは、単にデマンドを抑制すれば良いという発想ではなく、「目標値までは目一杯使わせる制御」と言ったデマンドマネジメントの理想を実現している制御の結果と言えます。

電気は仕入れ

殆どのお客様が、電気代を固定経費として考えています。
しかし当社では、電気代を含むエネルギーコストは、営業利益を上げるために必要な仕入れコストだと位置づけて、お客様と向き合っています。
省エネルギーのうち、特に日本におけるデマンドマネジメントは、電気代の基本料金に直結する削減が可能です。
しかもデマンドマネジメントで削減される電気代は、お客様の収支のうち純利に相当しますので、企業経営において非常に重要なコスト削減要因と言えるのです。

もし1年間で100万円の電気代が削減できるとします。
純利で100万円を稼ぐために、あなたの会社では一体いくらの売り上げが必要でしょうか?

これが当社の考えるデマンドマネジメントの根底思想とも言える重要な考え方になります。


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